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日記

 


頭の中が蒸し暑い。

死ぬことしか考えられない。

歳をとる自分が想像できない。

誰かと愛し合える自分が想像できない。

不気味なくらい震える両手だけが確かで。

綺麗な景色とか深夜のバスとか、そういうことがもう思い出せない。

当たり前なくらい孤独で反復する思考だけが脳を独り占めしてて、アホらしい。

言わなくてもわかることでも言え。

全部言え。

嘘をつくな。

夕暮れが翼を溶かしてしまう前に会いたい。

涙で霞む信号機が何色を示しているかもわからなくて嫌になる。

もうだめだ。