2018-08-11 5 詩 たまに思い出す不確かな旋律。汚れ・しみありの本。放置された自転車。忘れられた歯医者。私みたいだ。 感情をうまくホッチキスで止めることができたのなら、こんなに泣いてしまうこともなかった。 めくるめく快楽の沼に足を止めることができたのなら、こんなに吐いてしまうこともなかった。 全て幻想で全て鮮明な気がする。実像はどこにあるのか。 ゆらゆらと揺れる水面に部屋でこもりきりだった頃の自分を浮かべる。なにも見えない。暗闇が見える。それでいい。視界はここにある。